内装の決め方とは?― クロスや床材を選ぶ際に設計士が大切にしていること ―
- 松尾 光
- 設計★提案
リフォームや新築で多くの方が悩まれるのが、
「クロスや床材をどう選べばいいのか」という点です。
SNSやカタログを見ると素敵なデザインが多く、
つい“見た目”だけで決めたくなりますが、
実際の住まいづくりでは「空間全体のバランス」が非常に重要になります。
設計の視点でまず大切にしているのは、“どんな暮らしをしたいか”を明確にすることです。
例えば、ホテルライクで落ち着いた空間にしたいのか、
ナチュラルで温かみのある雰囲気にしたいのかによって、
選ぶ色味や素材感は大きく変わります。
床材は空間の印象を決めるベースになります。
面積が大きいため、まず床の色味を決め、
その後に建具・クロスを合わせていくと全体がまとまりやすくなります。
例えば、明るいオーク系の床材は柔らかく優しい印象になり、
ウォールナット系は高級感や重厚感を演出しやすくなります。
一方、クロス選びでは「アクセントを入れすぎない」ことも重要です。
打合せではアクセントクロスを採用される方も多いですが、
空間ごとに色柄を変えすぎると統一感がなくなり、
落ち着かない印象になることがあります。
設計では、“引き算”を意識しながら、
照明・家具・カーテンまで含めて全体のバランスを考えています。
また、サンプルだけで判断しないことも大切です。
クロスや床材は、小さなサンプルで見る場合と、
実際に広い面積で施工された場合では印象が変わります。
特にグレー系やベージュ系は、照明の色や自然光によって見え方が大きく変化するため、
できるだけ実際の施工事例や大判サンプルを見ることをおすすめしています。
さらに、デザインだけでなく“メンテナンス性”も重要です。
例えば、艶の少ない床材は高級感がありますが、傷や汚れが目立ちやすい場合があります。
逆に、表面に木目や柄が入った素材は生活傷が目立ちにくく、
小さなお子様やペットがいるご家庭にもおすすめです。
内装選びは、単に「好きな色を選ぶ作業」ではなく、暮らし方や空間全体を整えていく作業です。
設計士は、見た目だけではなく、住み始めてからの居心地や使いやすさまで考えながらご提案しています。
毎日過ごす空間だからこそ、“なんとなく”ではなく、
全体のバランスを意識しながら選ぶことが、満足度の高い住まいづくりにつながります。


よろしくお願いいたします。