【現場レポート】真冬の難工事!和室と高さを合わせた増築の裏側を公開!~断熱・内装まで一挙紹介~
- 田村 竜伍
- 現場レポート
こんにちは!パワーハウスの田村です。
皆さまは「増築」にどんなイメージをお持ちでしょうか?
「部屋が広くなっていいな」
「お庭が狭くなるのかな」など様々あるかと思いますが、
実は現場の職人たちにとっては、
特に冬場の増築はかなりの「難工事」になることがあるのです。
今回は、そんな過酷な環境下で行われた、難易度の高い増築工事の事例をご紹介します。
「洋間を増やしたい」というご要望でしたが、ただ作るだけではいけない、
絶対に外せない「ミッション」がありました。
1. 今回のリフォームのきっかけと、最大の難関
施主様からのご相談は、
「家族構成の変化に合わせて、居住スペースを広げたい。
お庭のスペースを使って、明るい洋間を一部屋増やしたい」というものでした。
広々としたお庭のスペースを活かし、広々としたお部屋を作る計画です。
しかし、ここで一つの大きな問題に直面しました。
問題:既存の「和室」と高さをぴったり合わせる
増築する洋間は、既存の建物の和室とつなげる形になります。
ここで、昔ながらの日本の住宅特有の課題が出てきます。
和室の床の高さと、一般的な洋間の床の高さは、異なる場合が多いのです。
もし、ここを深く考えずに単純に洋間の設計で基礎を作ってしまうと、
増築部分と和室の間に大きな「段差」ができてしまい、
バリアフリーとは程遠い住まいになってしまいます。
快適にするための増築なのに、これでは本末転倒ですよね。
2. 緻密な計画:ミリ単位の採寸から始まった第一歩
この問題を解決するため、私たちは工事が始まるずっと前から準備を開始していました。

上の画像をご覧ください。
工事着工前に、何度も何度もメジャーを当てて採寸しているのがわかりますでしょうか。
既存の和室の基礎の高さ、床下の構造、柱の位置など、ミリ単位で正確な数値を算出します。
この計測をもとに、「どの深さまで土を掘れば、最終的に既存部屋と段差なくつながるのか」
を徹底的に計算します。
まさに職人の技術と計算力が試される瞬間です。

増築前の既存の建物の様子です。
お庭の広さがよくわかります。
この広々とした空間に、新たに快適な洋間を増築していきます。
窓枠の高さも、増築部分とのバランスを考慮する上で非常に重要です。
細部にわたる綿密な計測が、後の段差のない美しい仕上がりへと繋がります。

増築部分と接続する予定の既存の和室の様子です。
和室特有の床の高さと、増築する洋室の床の高さをいかにフラットにするか。
これが今回の工事の最大のポイントでした。

こちらは、和室が洋室にリフォームされた後の写真です。
増築部分と段差なく繋がるように、既存の和室の床高も調整し、
美しいフローリング仕上げとなりました。
3. 過酷な現場:真冬の掘削と基礎工事、そして季節の問題
計算が完了し、いよいよ工事着工です。
しかし、冒頭でもお伝えした通り、時期は真冬。
しかも、今年の冬は例年にないほどの寒さでした。

掘削前の、まだ手つかずのお庭の様子です。ここから基礎工事がスタートします。

こちらは掘削工事の様子です。地面を掘り起こし、砕石を敷き詰めていきます。
土が凍りついているため、掘るだけでもかなりの労力が必要です。

砕石を敷き、しっかりと転圧(締め固め)した状態です。
ここからさらに「配筋」という、コンクリートの中に鉄筋を入れる作業へと進みますが、
職人たちは凍えるような寒さの中で、細かな作業を続けました。

画像は、型枠が組まれ、防湿シートが敷かれた段階です。
コンクリートを流し込む準備が整いました。
赤いレーザー墨出し器が見えますが、これが高さ調整の命です。
このレーザーを使って、計算した高さに間違いがないか、何度も確認しながら作業を進めます。

いよいよコンクリートを流し込みます。
隅々までコンクリートが行き渡るよう、バイブレーターをかけて空気を抜き、
最初に計算した「既存の和室とぴったり同じ高さ」になるよう、
慎重にコンクリートの表面をならしていきます。
きれいに打設が終わったように見えますが、実はここからが寒さとの本当の戦いでした。
コンクリートは、ある程度の温度がないと固まるのが非常に遅くなります。
今回の寒さでは、予定していた期間ではコンクリートが強度を出すところまで固まらず、
工程を少し遅らせる判断をしなければなりませんでした。
安全に住める家を作るため、乾燥(養生)期間を長めに確保します。
職人たちは、寒さで震えながらも、頑丈な基礎を仕上げるために奮闘しました。
基礎が完成し、養生中の様子です。
この上に立ち上がり部分のコンクリートを打設し、
しっかりとした増築部の土台ができあがります。
周囲には白いシートで保護されていますが、これも寒さ対策の一環です。

4. 職人たちの奮闘:屋根と外壁の施工
厳しい基礎工事を乗り越え、いよいよ建物本体の工事に入ります。

こちらは屋根工事の様子です。
風が強く冷たい高所での作業です。
少しでも手を止めると体温が奪われるような環境の中で、
熟練の職人が、雨漏りしないよう丁寧かつスピーディーに作業を行っています。

そして外壁(サイディング)工事です。
既存の家の雰囲気になじむよう、外壁材を選定しました。
信頼できるメーカーの建材を使用し、断熱性・耐久性も万全です。
寒冷地並みの断熱対策を施すことで、この厳しい寒さの中でも、
完成後はあたたかいお部屋になるよう設計しています。
5. 大工工事:骨組みから断熱、そして床下地まで
外部の工事が進む一方で、内部では大工工事が本格化します。

こちらは基礎工事が終わり、土台が組まれた状態です。
アンカーボルトで基礎と土台がしっかりと固定され、
地震などにも強い構造の土台となります。
いよいよ増築部分の「骨組み(フレーミング)」が立ち上がりました。
まだ壁がない状態ですが、新しい部屋の形がはっきりとわかります。
大工さんが一つ一つ丁寧に木材を組んでいきます。

骨組みが完成し、窓枠も取り付けられました。
光をたくさん取り込めるよう、大きな窓を設置しています。

そして、今回の厳しい寒さを乗り越えるために不可欠なのが
「断熱材」の施工です。
天井と壁に隙間なく断熱材を敷き詰めていきます。
これは室内の熱を逃がさず、外の冷気をシャットアウトするために非常に重要な工程です。
「マットエース430」という製品名が見えますが、これも高性能な断熱材です。
これによって、夏は涼しく、冬は暖かい快適な空間が生まれます。

床下にも断熱材を敷き詰めます。
この青いシート状のものが、高性能な床下断熱材です。
冷たい外気が床から伝わるのを防ぎ、足元から暖かさを守ります。
そしてその上に、フローリングを貼るための下地を組んでいきます。

増築部分と既存の和室を繋ぐ部分です。
床下地が整い、壁には石膏ボードが貼られ始めています。
引き戸の枠も設置され、新しい部屋への出入り口が形になってきました。
左奥には、増築部分の窓が見えます。

床のフローリングが貼られ始めました。
今回選ばれたのは、明るい色合いの木目調フローリングです。
既存の和室との境目も、段差なく美しく仕上がっています。
中央に見えるのは点検口です。
何かあったときに床下を確認できるよう、設けられています。

増築部分のフローリングがほぼ完成しました。
窓から明るい光が差し込み、広々とした洋間がイメージできます。
この部屋の快適さは、厳しい冬の基礎工事と、丁寧な断熱施工の賜物です。

新しい引き戸も取り付けられました。
モダンなデザインで、部屋の雰囲気にマッチしています。
ガラス部分から光が入り、閉めていても圧迫感がありません。
6. 内装工事:パテ処理からクロス貼り、そして完成へ
大工工事が終わると、いよいよ内装工事です。
ここからは、見た目の美しさが大きく左右される工程です。

壁に貼られた石膏ボードの継ぎ目やビス穴に「パテ」を塗布している様子です。
このパテ処理が、クロスの仕上がりを左右する非常に重要な作業です。
ボードの段差や凹凸を平らにすることで、
クロスを貼った時に継ぎ目が目立たず、
滑らかな美しい壁面を作り出します。

パテ処理が終わり、いよいよクロスを貼る直前の状態です。
壁面が完全に平らになっているのがわかります。
部屋全体が真っ白に統一され、清潔感が漂います。
これからどんなクロスが貼られ、どんな空間になるのか、わくわくする瞬間です。

そして、いよいよ完成!

こうして、真冬の厳しい寒さの中、職人たちの技術と情熱によって、
和室と高さを合わせたこだわりの洋間増築工事が完成を迎えました。
施主様の「洋間を増やしたい」というご要望が、最高の形で実現しました。
「増築したいけど、段差が心配…」
「冬場に工事をして大丈夫?」といった不安をお持ちの方も、
ぜひ一度、パワーハウスにご相談ください。
私たちは、どんなに過酷な現場であっても、妥協のない施工と、
お客様の理想を形にする確かな技術力でお応えします!
以上、現場の田村がお伝えしました!
~最後に~
私事ですが今月(2月)で遂に30歳を迎えます。
いよいよ大人の階段を登りきりますが、体は正直ですね。
朝は目覚ましより先に目が覚め、
動くたびに腰や膝が「よし、行くぞ」と元気な声をあげて教えてくれます。
(関節のきしむ音)
若い頃は徹夜も平気でしたが、今ではお風呂上がりのストレッチが至高のひとときです。
この関節の痛みこそ施工管理の勲章…と言い聞かせつつ今日も現場に向かいます。
湿布の香りが少し漂っているかもしれない田村ですが今後ともよろしくお願いいたします。
