マンションの「管理費」と「修繕積立金」 毎月の費用に隠された「マンションの未来」
- 森口 茂
- 新築・不動産
こんにちは!不動産担当の森口です。
マンションをご検討される際、物件価格や間取りはもちろん重要ですが、
もう一つ、長期的な視点で非常に大切になる費用があります。
それが、毎月支払う「管理費」と「修繕積立金」です。
この二つの費用、よく混同されがちですが、その役割はまったく異なります。
例えるなら、管理費は「日々の生活費」、修繕積立金は「将来のための貯金」です。
1. 「管理費」はマンションの日常を支える費用
管理費は、マンションの共有部分を快適に維持・管理するための日常的な費用です。具体的には、
・管理員さんの人件費
・共用部分(エントランス、廊下、エレベーターなど)の電気代や清掃費用
・各種設備の保守点検費用(エレベーター、消防設備など)
・管理組合の運営費
などに充てられます。
一般的に、戸数が少ないマンションや、プール、ジム、
コンシェルジュサービスなどの共用施設が充実しているマンションは、
一戸あたりの管理費が高くなる傾向があります。
日常の快適さやサービスのレベルを維持するための必要経費、とご理解ください。
2. 「修繕積立金」は建物の寿命を延ばすための貯金
一方、修繕積立金は、数年~十数年ごとに行われる「大規模修繕工事」のための費用を、
毎月コツコツ積み立てるものです。
・外壁の塗り替えや補修
・屋上などの防水工事
・給排水管の交換
・エレベーターの更新
など、建物の資産価値を維持し、寿命を延ばすために欠かせない大がかりな工事に使われます。
この費用で特に注目していただきたいのは、その「計画」です。
新築時の修繕積立金は低めに設定されていることが多く、
築年数が経過するにつれて段階的に値上がりしていくのが一般的です。
国土交通省の調査でも、築年数が古いほど積立金の平均額が高くなる傾向が見られます。
3. 確認すべきは「総額」と「長期修繕計画」
マンション購入前に、私はいつもお客様に
「管理費と修繕積立金の合計額を毎月のランニングコストとして捉えてください」
とお伝えしています。
首都圏の中古マンションでは、
この合計額の平均が月々2万円台前半から3万円前後となるケースが多いです。
さらに重要なのは、目先の金額に惑わされないことです。
修繕積立金が相場より極端に安い場合、
将来的に一時金の徴収や大幅な値上げが発生するリスクを抱えているかもしれません。
逆に、相場より高い場合は、既にしっかりとした積立計画に基づいている可能性もあります。
必ず、管理組合が作成している「長期修繕計画書」や「修繕積立金の残高」を確認し、
将来の資金計画が適正であるかをチェックしましょう。
管理費と修繕積立金は、単なる支出ではなく、マンションという「共有財産」を守り、
あなたの「資産価値」を維持していくための大切な投資です。
この二つの費用を深く理解することが、後悔のないマンション選びに繋がります。
ご不明な点があれば、いつでも私にご相談ください。

