タタミ活用について
- 松尾 光
- 設計★提案
リビングに畳を取り入れるリノベーションは、
設計者としても非常に魅力的な提案のひとつです。
現代の住まいでは、洋室中心の間取りが主流ですが、
畳を取り入れることで「くつろぎ」と「多用途性」を両立した空間づくりが可能になります。
設計のポイントは、リビング全体との“つながり”を意識することです。
従来のように壁で仕切った和室ではなく、フローリングとフラットにつなげたり、
小上がりにして段差で空間を緩やかに分けることで、
リビングの一部として自然に馴染ませることができます。
段差を設ける場合は、床下収納としても活用できるため、
限られたスペースを無駄なく使える点も大きなメリットです。
また、素材選びもデザイン性を高める重要な要素です。
伝統的な縁あり畳だけでなく、琉球畳や樹脂畳など、
モダンなインテリアに調和するカラーや質感のものを選定することで、
リビング全体のトーンを損なわずに設計することができます。
さらに、畳の持つ調湿・断熱性能は、機能面でも優秀です。
自然素材ならではの温もりや香りが、家族が集うリビングにやさしい空気感をもたらしてくれます。
設計者の立場から見ると、畳スペースは「休む」「座る」「仕舞う」といった
多機能性を一箇所に集約できる、非常に合理的な空間構成です。
暮らしの中に“少しの和の要素”を取り入れるだけで、住まい全体の居心地が格段に上がる——
それが、リビング×畳リノベーションの最大の魅力だと感じます。



よろしくお願いいたします。